ワイナリーツアーをアレンジするときは、なるべく、大きな有名なワイナリーと、小さな様々な面でこだわっているワイナリーの2つを組み合わせるようにしております。
やはり、有名なワイナリーは見てみたいと思いますし、小さなワイナリーは、オーナー自ら案内してくれて、そのワインにかける情熱を熱く語ってくれる場合もあります。
だいぶ前になってしまったのですが、今年の夏にアレンジ、ガイドしました、カリアリ発ワインツアーの一例をご紹介したいと思います。
カリアリ近くであれば、やはり、サルデーニャで最も有名なワインのひとつ、トゥリーガを生産するワイナリー、アルジオラス。
どのワインも、綿密に計算されつくして作られている印象があり、どのワインを飲んでもおいしい。
そして、やはり、トゥリーガ Turriga。ワイナリーで頂くと、ワイナリー直ですから、その偉大さがさらによくわかります。
今年の夏に、1999年のトゥリーガを開ける機会がサルデーニャ島内のとあるレストランであったのですが、レストランでの保存状態が良くなかったためか、本来持っている素晴らしさを全く発揮できず、とても遺憾だったことがありました。もし、そのようなワインを飲んでしまって、ワインの印象が悪かったらとても残念です。ワイナリーで試飲することの最も良い点のひとつは、やはり、そのワインの本当のすばらしさを堪能できることかとも思います。
また、ワイナリーの建物は、独特の色使いとデザインでとても素敵。ポルト・チェルボを作った建築家の一人、Savin Couelle が手掛けたという説明で、すっかり納得いたしました。
そして、車を走らせることおよそ1時間。世界遺産のヌラーゲのあるバルーミニを通り過ぎ、ヌラーグスという町へ向かいます。
世界遺産のヌラーゲ、ス・ヌラージからも12kmほどと、近いので、ワイナリー見学の前後にヌラーゲ遺跡見学もできます。
もともと、ヴェネチアで建築家として活躍していたステファノは、子供のころのブドウ畑で過ごした楽しい記憶が忘れられず、出身地へ戻ってきて、ワイナリーを始めたというちょっと珍しい経歴。
ソイのあるヌラーグス Nuragus という町と同じ名前のサルデーニャの土着品種がある。もちろん、このヌラーグスの町付近で栽培されていたブドウ品種なのだが、ステファノがワイナリーを始めた時は、ヌラーグスでは誰もヌラーグスを栽培していなかったという。
ステファノは、ヌラーグスの町にヌラーグスを復活させた人。
サルデーニャでは、自然農法でブドウを栽培してワインを作っているけれども、ビオ認定を逢えて受けていないというワイナリーが時々ある。
肥料として使う、動物のフンまで、ビオのものを使っているというほど、こだわりを持っているのに、アグリコラ・ソイも、そのひとつ。
アメリカのとても影響力のある有名ソムリエの Charlie Arturaola が絶賛したという、カンノナウ品種のロゼ、ネア Nea。
どれもこれも、ステファノ・ソイ氏の哲学を反映しているワイン。さらにおつまみの自家製のオリーブもとてもおいしかったです。