この数年間で飲んだヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラDOCGで、個人的にはベスト5に入る白ワイン、フィオーレ・デル・サッソ Fiore del sasso をつくるラ・コントラルタのパラウにあるスタッツォへ行ってきました。
スタッツォ stazzo とは、ガッルーラ地方で1700年代から1800年代頃にかけて建てられた長方形の建物。スタッツォは住居であるだけではなく、自給自足できる環境が整っていたのが特徴。
ラ・コントラルタは、オルビア近くのエ―ナスとそしてパラウの2か所にブドウ畑を持っています。
エ―ナスの方には、カンティーナがあるのですが、パラウの特徴はやはり、何といっても海の見える気持ちの良い眺め。
ラ・コントラルタは新しいワイナリーですが、2022年のガンベロロッソで、赤ワインの L’ora Grande 2019 がトレビッキエーリを受賞するなど高い評価を得ているワイナリーです。エノロゴのロベルトは以前からオレンジワインにはまっていて、ラ・コントラルタでもSicut Erat と Al sol brilla の2種類のオレンジワインをつくっています。
Sicut Erat は、アンフォラで醸造。Al sol brilla は樽で熟成。
でも、個人的には、ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラDOCG のフィオーレ・デル・サッソが最も気に入っています。熟した梨などのフルーツ、はちみつ、焼き立てのパンのような香り、そしてミネラル感とともに濃厚で複雑な味わい。20%は木樽で熟成されています。
すぐ近くには、2000年前の本にも記述されている熊の形の岩もありますので、そちらと合わせていかれてもよいかと思います。
熊の岩は、花崗岩の脆い部分が風や水の作用により何百万年もかけて、削り取られ、クマの形となった岩。2千年前の古代ローマ時代の地理学者、プトレマイオスによって、‘Promontorium Arcti’ つまり、クマの岬と名づけられており、この独特な形の岩は昔から、ガッルーラの海岸を航海する船乗りたちにとって、目印となっていました。
熊の岩のちょうど、クマの足の部分まで登ることができ、そこからは、ラ・マッダレーナ諸島を見晴らすことができます。