サルデーニャ島で最も高い地点のプンタ・ラ・マルモラへ登りました。
プンタ・ラ・マルモラは、ジェンナルジェントルの山岳地帯にあり、標高1834メートル。
プンタ・ラ・マルモラは、政治家であり軍人であり、地図学者であった、アルベルト・ラ・マルモラ(1789-1863)の苗字に由来。というもの、アルベルト・ラ・マルモラはサルデーニャの自然や考古学や歴史に深い関心をよせ、サルデーニャについての2冊の本を出版したほか、サルデーニャの地図も作成した人なのです。弟のアルフォンソ・ラ・マルモラは、イタリア王国の首相も務めた政治家一家。
サルデーニャで最も高い場所、というから、さぞかし険しいコースなのかと思いきや、往復15kmと距離はあるけれども、意外にも簡単なコース。そして、あちらこちらに、牛が静かに草を食み、風景もどことなく、トレンティーノのような景色で、サルデーニャの荒々しさはありません。
サルデーニャで最も高い場所にあるフォンターナ(湧き水ポイント)
その横には、山のバラという名前のペオニア peonia が咲いていた。
ふつうは、十字架のある場所が頂上とされていますが、この場所がサルデーニャ島で最も高い地点の1834メートル。十字架のある場所は、数メートル低いそうです。
頂上までは、晴れ時々曇りであったが、ポツポツと雨が降り出した。そして、雹まで降り始め、雷が鳴り、結局のところ帰り道はずっと雨。
天気予報では夕方に雨の予報だったため、私は一応傘も持っていたが、もう、センティエーロは小さな川のようになっているところもあり、ゴアテックスのサロモンの靴も、最初の1時間くらいは水がしみ込まなかったけれども、そのあとは、少し水が入ってきてしまうくらいの雨でした。
参加者の一人が、デーズロの出身で、ずぶぬれになってしまった私たちをデーズロにも家があるから、乾かしにいらっしゃいと言ってくれる。その日、オルビアは28度で、太陽がさんさんと照り付け、夏のような天気だったそうだが、デーズロは11度。5月の下旬に暖炉に火を入れてくれて、服を乾かしたり、体をあたためたり。パンとワイン、チーズ、サラミ。そして、セアダスまで揚げてくれて、すっかり心まで温まってしまった。
びしょびしょの私たちを迎え入れてくれた家は、1階部分は1700年代の本が飾られた家。
このような心遣いをしてくれるサルデーニャの人には、本当に頭が下がります。トレッキングでこんなに雨に降られたことはいままでなかったのですが、このようなサルデーニャの人のおもてなしで、帰りの長い道のりの車の運転も、心軽やかに運転して家へ戻ることができました。