ベンヴェヌート・ヴェルメンティーノ2021

ベンヴェヌート・ヴェルメンティーノ2021 サルデーニャワイン

イタリア・サルデーニャ州唯一のDOCGワインであるヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラDOCG は、サルデーニャ島北東部のガッルーラ地方で栽培されたブドウのみで作られた白ワイン。
正確には、アッジュス、アリエントゥ、アルツァケーナ、バデージ、ベルキッダ、ボルティジャーダス、ブドーニ、カランジャーヌス、ゴルフォ・アランチ、ロイリ・ポルト・サン・パオロ、ルオゴサント、ルーラス、モンティ、オルビア、オスキリ、パラウ、サンタントニオ・ディ・ガッルーラ、サンテオドーロ、サンタ・テレーザ・ディ・ガッルーラ、テルティ、テンピオ・パウザーニア、トゥリニタ・ダグルトゥ、ヴィッダルバで栽培されたヴェルメンティーノでつくられなければなりません。ガッルーラ地方は、花崗岩質の土壌で栽培されたヴェルメンティーノからは、複雑で香り高くミネラルを強く感じるワインができあがります。
サルデーニャ島には、DOCGのヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラのほかに、DOCワインのヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャDOCもあります。ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャDOCは、サルデーニャ島のどこで栽培されたヴェルメンティーノでつくられてもよい。
DOCGのヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラが、複雑な香りと花崗岩質由来のミネラルを強く感じるキリリとして奥深い味わいであるのに対して、DOCのヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャは、果実味がたっぷりのまろやかな味わいであることが多い。
ヴェルメンティーノ品種は、サルデーニャを代表する白ブドウ品種。サルデーニャ州でのヴェルメンティーノ品種の栽培面積は、イタリア全体のおよそ70%にあたる4300ヘクタール。サルデーニャ州のヴェルメンティーノが有名だが、ヴェルメンティーノ品種はイタリアの他の州、そしてフランスやアメリカでも栽培されている。

そして、そのサルデーニャのヴェルメンティーノを含め、イタリアのトスカーナ州やリグーリア州、そして、サルデーニャ島から12kmしか離れていない、フランスのコルシカ島のヴェルメンティーノまで、およそ30種類のヴェルメンティーノワインをAISソムリエの解説つきで試飲できるデグスタチオーネ・テクニカへ参加させてもらうことができた。というのも、希望者多数だったようで、会場となった、オルビアの考古学博物館にいた参加者メンバーを見渡すと、セッラモスカのエノロゴのジョヴァンニ・ピンナ氏やコンソルツィオ・トゥテーラ・ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラの会長ダニエーラ・ピンナ氏などサルデーニャワイン界の重鎮たちやオルビア市長、スティンティーノ市長など錚々たる顔ぶれが集まっていた。セッラモスカのエノロゴのピンナ氏は、かなり前に授業を受けたことがあり私のことを覚えていてくれた。

何度も飲んだことのあるワインでも、ソムリエの話を聞きながら試飲すると、ソムリエの方々はこのようにこのワインをとらえるのか!とか、また、新しいワイナリーの初めて試飲した素晴らしいヴェルメンティーノとその生産者に出会えたりと、興味深い体験をさせていただくことができました。

benvenuto vermentino 2021

AISガッルーラの代表ソムリエのアッティリアをはじめ、ポルト・チェルヴォで最も有名な5つ星ホテル、カーラ・ディ・ヴォルぺで長年ソムリエとして働いた後、現在はアルベルギエーレ(ホテルレストランのサービスやシェフを育成する職業高校)で先生をしているルイージなど、数人のソムリエが1本1本にまつわるヴェルメンティーノワインの話を交えてワインの説明をした。自宅でじっくりとワインに集中して味わうのもいいけれども、このように、ほかの人の意見を聞きながら試飲するのも、同じワインでも新たな発見があって楽しい。

話は飛びますが、イタリアの高校について
イタリアの高校は、大きく分けて2種類あります。

1つは、リチェオと呼ばれる高校。大学へ進学するための基礎を勉強することを目的としているため、理論科目が中心。リチェオには、文系高校、理系高校、語学系高校、芸術系高校などに分かれ、そのなかでも、コースが細分化している。たとえば、文系高校には、ラテン語とギリシャ語を学ぶスタンダードな文系から、医学系の科目を学ぶコースや、理系高校の中には、ラテン語を学ぶスタンダードな理系コースから、人文学コース、ラテン語を学ばないITコースなどがある。語学系では、英語、フランス語の他に、第3外国語としてドイツ語かスペイン語を選択する。

2つ目は、職業高校で、船舶や航空系、旅行観光系、簿記会計、料理やレストランサービスを学ぶ高校までたくさんあり、どれも興味深い。

イタリアの高校は5年間。そのため、高校選びはかなり重要です。リチェオ、職業高校のどちらを卒業しても、大学入学資格が得られます。

28本の中で、特に印象に残ったワイン。

Tibulas Dandelio

新しいワイナリーで、知らないワインのため、先入観を何も持たずに、香りをかいだとたんに、ミネラルとフルーツのバランスのとれた力強い香りにまずは、ノックダウンされました。しっかりとした芯のある味わいで余韻も長く、とても印象に残ったワイン。
ティブラス Tibulas のダンデリオ・ビアンコ Dandelio Bianco

シッドゥーラ Siddura ベール

シッドゥーラ Siddùra のベール Bèru。ヴェルメンティーノをバリックで熟成させたヴェルメンティーノは、みずみずしい果実味のフレッシュさと焼き立てのパンやはちみつ、バターなどのねっとりとした香りがバランスのとれたヴェルメンティーノの新たな一面をみせてくれるワイン。

スラウ モンティディモーラ

この日のトリを飾ったワインは、スラウ Surrau のモンティ・ディ・モーラ Monti di Mola 。スラウの13本目となる新しいワインです。
モンティ・ディ・モーラとは、アガ・カーンがコスタズメラルダを構築する前のコスタズメラルダの地名。また、イタリア人ならば誰もが知る有名な歌手で、サルデーニャをことのほか愛した Fabrizio De André の有名な曲の名前でもあります。
遅摘みワインのシャーラ・ヴェンデミア・タルディーヴァの従弟のようなワインとオーナーのデムーロ氏が語るように、こちらも遅摘みブドウを使っています。
スラウは、ワイナリーの設立は2000年と新しいのですが、ガッルーラ地方でワインツーリズモを始めた先駆けで、ワイナリーもとても素敵です。

ワインの生まれた土地を表現する1杯のワインが、その場所へ連れて行ってくれる。訪れたことのあるワイナリーは言わずもがな、ワインの作られた村や町を訪れたことがあれば、その村のワインを飲んだ時にその風景が鮮やかに思い出され、それは、ワインの香りや味わいだけではなく、その土地の感触や風や空までも感じることができると思うのです。ワインを楽しむときに、そのような土地を思い巡らせることができるようなワイン旅行、ワイナリーツアーを企画、アレンジ、同行致します。お問い合わせお待ち申し上げます。

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