Kent’Annos – Tenute Dettori デットーリ

Dettori デットリ サルデーニャワインツアー

最近、長寿の島として、注目されつつありますサルデーニャ島です。先日は、世界一長生きの島、としてテレビで放送され、そのなかで、「アケンターノス(100歳まで生きましょう)」という言葉が乾杯の時に言う言葉として紹介されていました。
アケンターノス A chent’annos は、サルデーニャの方言で、イタリア語の ア チェント アンニ A cent’anni に相当します。
イタリア語のチェントは100、アンニが年の意味で、サルデーニャの方言では、ケントが100となります。
私は、誕生日のメッセージで使われるのをよく目にします。

その番組を見て、100歳(または100年)という意味のケンタンノス Kent’Annos という名前のアグリツーリズモのことを書こう書こうと思いつつ時間が過ぎてしまっていたことを思い出しました。
ケンタンノス Kent’Annos は、サルデーニャで、自然農法や無農薬、ビオなどど言われるよりずっと前から、自然農法、ビオディナミそして、化学的な方法を用いない醸造方法を行ってきた先駆的なワイナリーのひとつであるだけではなく、ビベンダ BIBENDA 2016年版で、最高点である5グラッポリを2つ獲得した、サルデーニャ州で唯一のワイナリーであるなど、高い評価を受けているテヌーテ・デットーリ Tenute Dettori が経営しているアグリツーリズモです。
アグリツーリズモというと、お料理はサルデーニャの伝統的な料理を味わうことができるけど、ワインは、いわゆるハウスワインであることがふつうなのですが、こちらは、テヌーテ・デットーリの経営のため、プラス20ユーロで、テヌーテ・デットーリの4種類のワインがグラスで提供されます。

アグリツーリズモは、メニューはフルコースの1種類のみで、とにかく次から次へと料理が出てきます。
通常サルデーニャのアグリツーリズモは、前菜が数種類、プリモが2~3種類、セコンドにサルデーニャの名物、ポルチェット(子豚の丸焼き)、そして、デザート(セア-ダスか焼き菓子)、食後酒が出てくるのが一般的です。水とハウスワインも料金に含まれます。
とにかく大量の料理が出てくるので、アグリツーリズモに行くときは、体調を整え、もし昼ご飯にアグリツーリズモに行くのならば、ふつうの人であれば、夜ご飯は抜きにした方が賢明です。

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アルベレッロ仕立ての畑を見つつ、アグリツーリズモに向かいます。訪問したのは、1月の初め。

さて、テヌーテ・デットーリなのですが、HPからは、アレッサンドロ・デットーリ氏のワインとテロワールに対する熱い熱い想いが伝わってきます。

「私は市場や世間が求めるものではなく、私が好きなワイン、私の土地のワインを作る。」

「カンティーナでは、硫黄以外の一切の化学物質を使わない。
酵母や酵素は加えない。醸造のための補助薬は用いない。
フィルターを使わない。清澄化を行わない。
バリックを用いない。
ワインはボトルごとに違うかもしれない。
サルデーニャの土着品種のみを用い、私たちのワインに無理強いする国際的な品種は使わない。」

「2008年には、うどんこ病のため、2000本のワインしか生産しなかった。
毒薬を畑にまいて、私たちの土地を汚染するくらいならば、その年のブドウを失うほうが良いからだ。」

「私たちのワインは私たちのテロワールの本質を表現するものだ。」

「DOCは名乗らない。わたしの3つの畑ではそれぞれ3種類のカンノナウを作っていて、それぞれテロワールごとに違う。」
まして、100キロメートルも離れた場所で生産されたカンノナウとは全く違うから、カンノナウ・ディ・サルデーニャDOCとひとくくりにされたくない、という思いのようです。

カンティーナの見学も受け付けているとのことだったので、ちょっと早めに行ってみると、当主のアレッサンドロ・デットーリ氏がウロウロしているではありませんか!
HPからのちょっと怖そうなイメージがあったのですが、思い切ってカンティーナを見学したい旨を申し出ると、快く案内して頂けました。
畑や醸造で忙しい時期でなければ、アグリツーリズモに来たお客さんには、当主が直々にカンティーナを案内してくれるそうです。

デットーリ

ブドウ栽培は自然農法で、そして醸造に関しても、色々な人が色々なやり方でワインを作っているけれども、僕はフィルターもかけないし、自分の作りたいワインを作るということを力説してくださいました。

今でこそ、自然農法というのは一般的になっているけれども、10年以上前には、サルデーニャではかなり異端児としてみられたのだろうなという苦労がしのばれます。
6~7年くらい前でしょうか、サルデーニャを代表する大きなワイナリーの2人の有名なエノロゴ(醸造家)とサルデーニャの土着品種カンノナウのワインをブラインドテイスティングする機会がありました。
その時に、デットーリのワインも含まれており、確かに、そのボトのワインはは、やや酸化していたのですが、二人の大御所の評価は散々なものでした。
だからか、サルデーニャの外、イタリア本土や海外でまず、高い評価を得ようと努力したようです。

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特徴的なエメラルドグリーンのセメントタンク

一通りの説明のあと、カンティーナを出たアレッサンドロ氏がほっとした表情でタバコを取り出して吸い出したのは、ちょっと意外でした。

カンティーナの真上が、アグリツーリズモになっています。通常メニューにつくハウスワインである レノーズ・ビアンコ Renosu Bianco が、料理を待つ間にだされました。

そして、デットーリ・ビアンコ Dettori Bianco 2014 フィルターを通していないので濁っています。色々な意見があるとは思いますが、私個人的には、唯一残念なワインでした。

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カラザウ

サルデーニャ

前菜が次から次へと出てきます。チーズにつけるジャムもおいしい!

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サルデーニャの土着品種、パスカーレだけから作られるワインは珍しい。

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オットマルツォ Ottomarzo 2013

デットーリ

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前菜はここまで。

キンバンタ

キンバンタ Chimbanta 2013

ズッパ・ガルレーゼ

ズッパ・ガルレーゼ zuppa gallurese

様々なレシピがあるズッパ・ガルレーゼですが、こちらのズッパ・ガルレーゼは本当においしい! 日本のグラタン皿のようなもので出てくるのもなんだか嬉しくなります。

マロレッドゥス

マロレッドゥス malloreddus

Tenores

テノーレス Tenores 2010

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デットーリ・ロッソ Dettori Rosso 2011

ファミリーの苗字を付けているワイン、さすがです。

ポルチェット

ポルチェットも全く臭みがなく、ジューシーで柔らかく、味わいがあります。

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Moscadeddu

モスカデッドゥ Moscadeddu 2013

メニューには、4種類のワイン(Dettori Bianco, Tenores, Dettori Rosso, Moscadeddu)と書かれてあったのですが、6種類のワインを出してくださいました。

デットーリ・ビアンコ Dettori Bianco 2014 ヴェルメンティーノ
オットマルツォ Ottomarzo 2013  パスカーレ
キンバンタ Chimbanta 2013 モニカ
テノーレス Tenores 2010 カンノナウ
デットーリ・ロッソ Dettori Rosso 2011  カンノナウ
モスカデッドゥ Moscadeddu 2013 モスカート

ワインはもちろんお料理に関しても、はるばると行く価値のあるアグリツーリズモであると思います。

ケンタンノス Kent’Annos      http://www.kentannos.it/ 

テヌーテ・デットーリ Tenute Dettori       http://www.tenutedettori.it/

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