忘れられないお客様がいる。サルデーニャにいらっしゃるお客様は、皆様素敵な方々ばかりで、何度がメールでやりとりさせていただいたあとに、サルデーニャでお客様に実際にお目にかかれることは、この仕事をしている中でとても楽しみにしていることの一つ。
そのお客様とは、何度もメールでやりとりをさせていただき、メールの内容も、ちょっとお客様の日常に触れられることもあり、どんな方なのかお会いできる日をわくわくしておりました。そして、メールの内容からは、お若い方、おそらく私よりもだいぶお若いのでは、と思っていたのですが、サルデーニャにいらっしゃる直前に、すぐに私がわかるようにと「私は83歳です。」と書かれたのです。まさに私の母と同じ年齢で、イタリアへ個人旅行をされるなんて、どんな方なのだろうとますますお会いしてサルデーニャ島をご案内させていただくのが楽しみになったことを思い出します。
ガイド中には、時には様々な、いわゆる世間話も含めてお話をさせていただく機会もあります。その中で、その83歳の女性のお客様は、私は、健康のために、ひとつだけ、欠かさず毎日していることがあるのとおっしゃいます。それは、毎朝リンゴを食べること。もしリンゴを朝食べられなかったら、お昼に食べるの。そしてお昼にもリンゴを食べれなかったら、夜食べるの。でもね、「朝のリンゴは金、昼のリンゴは銀、夜のリンゴは銅」って言われているから、なるべく朝、「金のりんご」を食べることを心掛けている。83歳になるまで、胃腸には全く問題がないのは、もしかすると朝のリンゴのおかげかもしれない、ともおっしゃっていました。
桃や梨、かんきつ類は大好きだけれども、でも、リンゴは、あまり好みではなかったのですが、それを聞いてから、なるべく朝のリンゴを、金のリンゴを食べるように心がけるようになりました。
イタリアのリンゴでおいしいと思うのは、ふじりんご。イタリアでもFUJIと、日本と同じ名前で売られています。イタリアのリンゴは小ぶりなので、一人で1個食べることができるのが良いところ。イタリア人は食後、フルーツ、それもリンゴや梨だったら一人1個、ミカン程度の大きさのクレメンティーノやマンダリーノだったら一人2個程度を食べる人が多いです。イタリアの学校給食でも同様。
また、サルデーニャ島でもふじりんごを栽培していて、運が良いとメルカートなどでサルデーニャ産のフジリンゴを買うことができます。
今秋にサルデーニャにいらしてくださったイタリア料理研究家のお客様をメルカートにご案内させていただいた時、最初はサルデーニャに来てまで、日本のフルーツと敬遠されていたのですが、サルデーニャ産のフジリンゴで、とてもおいしいですよとおすすめしたところ、とてもおいしかったとおっしゃって下さいました。もし、秋冬にサルデーニャやイタリアへいらっしゃる機会がおありでしたら、是非、イタリアのフジリンゴも召し上がってみてください!
秋には、柿もKaki(またはcachi) と日本語と同じ名前でスーパーなどで売られています。イタリア語の名詞は、単数形と複数形があるので、柿が一つの場合は、単数形のkakoとなります。柿もイタリア人が大好きな果物です。