アルゲーロ近郊のワイナリー、カンティーナ・リガッテリで、センツァ・トゥルッコというフィルムを観る機会があった。
2011年のジュリア・グラリア女性監督によるドキュメンタリー。
https://senzatrucco.wordpress.com
平日の夕方4時からという時間設定、そして、予約の電話では、わかりやすく標示してあるから、場所はすぐわかるはず、とのことだったのに、全くわかりやすい場所ではなく、電話で道を聞こうと思っても、電話には出ない。サルデーニャ出身の友達と行ったのに、田舎道を迷って、わずかに出会う色んな人に道を聞いても、みんな違うことを言う。やっと標示を見つけたけど、多くの人が通ると思われる方向から、全く見えない場所にコピー用紙が張り付けてあるだけだった。それでも、なんとか10分ほど遅れて着いたら、かなりたくさんの人がいてびっくり。今年、はじめてのモンドルラーレというイベントの一環なのだけど、もう少し、改良の余地ありと、偶然出会った友人とも意見が一致した。
さて、フィルムの内容は、北はトレンティーノから南はシチリアまで、ビオロジコまたは、ビオディナミの4人の女性の自然派ワイン生産者のブドウ畑、カンティーナの仕事を春夏秋冬、それぞれ違った季節を追うというもの。のどかなすばらしい田園風景ももちろん出てくるが、初めに登場した女性、トスカーナのドーラは、雪が残るなか、素手で剪定を行い、イノシシを捌き、大きなトラクターを運転したりと、60歳を超えても、本当にパワフル。
トレンティーノのエリザベッタ は、カンティーナでの重労働をしていても、とてもエレガント。農薬は使わず、近くで採れるイラクサを煎じたものをブドウ畑に撒く。イラクサを採る時、大きな白い布を草のカーペットにふわりと広げる姿もとても素敵だった。また、アンフォラでワインを醸造するという特殊な方法もとっている。
4人の女性は、このフィルムのタイトル通り、ほぼお化粧なしのすっぴんで登場するのだが、ワイン作りにかける情熱、真剣な眼差し、生きる姿勢は、本当に魅力的で美しく、すっかり、すばらしい4人の女性とブドウ畑やカンティーナの仕事に魅せられたあとは、フィルムの上映会場となったカンティーナが、ワインとサラミ、チーズ、サルデーニャの伝統的なお菓子などを振る舞ってくれました。ブドウ畑、カンティーナ、ワインに関するフィルムを観て興奮さめやらぬうちに、ワイナリーで生産者から直接、ワインを頂けるというのは、非常に嬉しい。
病気にかかりやすく栽培するのが難しいという、サルデーニャの北西部の限られた場所でしか栽培されていないカニュラーリ種のワインなどを試飲した。