サルデーニャ島で見るべきカーニバル

サルデーニャカーニバル イタリア・サルデーニャ島

本来ならば、イタリア・サルデーニャ島はカーニバルの真っ最中なの時期なのですが、コロナ禍のため、2021年のカーニバルの行事は軒並み中止及び、市町村によっては、カーニバルに関わるもろもろのこと、(例えばコリアンドリ(紙ふぶき)の禁止とかアルコール類を18時以降売ってはいけないなど)が禁止となっています。
イタリアでは、クリスマスから年末年始にかけての、あまり厳しくないロックダウンを経て、少しずつですが、新型コロナ感染者数は減少しつつありますが、まだまだ昨年の夏前のような状況からはほど遠い状況です。

サルデーニャ州は、2月8日からイエローゾーンに戻り、本日(2月15日)のサルデーニャ州の新規感染者数は、56人。

コロナが収束して、来年にはカーニバルが行われることを期待しながら、サルデーニャ島のおすすめのカーニバルをご紹介したいと思います。その前に、カーニバルとは何か?ということを簡単にご説明いたします。

カーニバルとは

カーニバルの語源は、ラテン語のcarnem levare、肉を排除するという意味に由来します。肉は、カーニバルの饗宴の主役となる食べ物。イタリア語で、肉のことをカルネと言い、カーニバルのイタリア語は、カルネヴァーレです。
クアレージマ Quaresima と呼ばれる40日間のキリスト教の断食、節制の時期の前にどんちゃん騒ぎをして、肉やドーナツなどの揚げ物菓子を大いに食べまくります。
断食と言っても、もちろん何も食べないわけではありません。主に肉類や自分の好きなものを食べないことを意味します。
もちろん現在は、カーニバルの後でも肉類を食べますが、敬虔なカトリックの信者の人で、クアレージマの時期には肉類を食べない人もごく少数います。

カーニバルは、毎年、日にちがかわる復活祭の日に基づいているため、カーニバルの時期も毎年かわります。
カーニバルのたけなわとなる日は、イタリアではカーニバルの初日となる木曜日のジョベディグラッソ火曜日のマルテディグラッソ。この木曜日と火曜日は学校が休みとなる場合もあります。
グラッソとは、太ったとか、油っこいという意味で、カーニバルが終了後から復活祭までの節制の40日間の前に大いに食べまくるからなのです。 サルデーニャ島のカーニヴァルの伝統料理の一つに、カヴォラータという料理があります。脂身の多い豚肉とキャベツ、玉ねぎ、ジャガイモ、野生のフェンネル、乾燥ソラマメなどを煮込みます。サルデーニャ島の人々も、この料理は重いというくらいこってりしています。

学校が休みになるかならないかは、校長先生の判断だったりするところがイタリア的なのですが、市町村によっては、カーニバルが有名な町や村がありますので、そのような場合は町中、村中カーニバル一色になるため、学校を開けても誰も生徒が来ないなんていう場合もあって、そこもまたイタリア的です。学校が休みにならない場合でも、幼稚園や小学校では、変装して学校へ行く子供たちもいます。
コロナ禍でカーニバル関連の行事は軒並み中止となっているのにもかかわらず、今年2021年のカーニバル期間
サルデーニャ州はマルテディ・グラッソの火曜日は、学校を休みと決めました。
カーニバルは、古代ギリシャの酒の神、ディオニュソスや古代ローマの農耕の神、サトゥルヌスに捧げられた祭りにも起源を持ちます。これらの祭りの主役は、冗談や社会階級をひっくり返すことなどで、カーニバルには、自由奔放にふざけること、どんちゃん騒ぎ、羽目を外すこと、不節制などの気質が受け継がれています。

サルデーニャ島のカーニバル

イタリアのカーニバルといえば、ベネチアのカーニバルが有名ですが、サルデーニャにも、カーニバルで有名な町や村があります。そして、サルデーニャのカーニバルは、とても独特です。
そのなかでも、サルデーニャ島のおすすめのカーニバルは、サルデーニャ島西部の町、オリスターノのサルティリア、そして、サルデーニャ島内陸部のマモイアーダ村のマムトーネス
サルティリアが、馬上競技を含む華やかなカーニバルであるのに対して、マムットーネスは、サルデーニャの人ですら、怖がる人もいるくらいちょっと不気味なカーニバルですが、キリスト教以前からの数千年にわたる歴史があると言われています。

マモイアーダ村のマムトーネス

マモイアーダ村のカーニバルには、マムトーネスイッソアドレスという二人の登場人物がいるのですが、黒いお面に、羊の毛皮と重い鈴をつけたマムトーネスの姿がかなり独特のものなので、マモイアーダ村のカーニバルは、単にマムトーネスと呼ばれます。

マムットーネスのグループは、12人のマムットーネスに対して8人のイッソアドレスで構成されます。
マムットーネスが2列に平行に列をつくり、イッソアドレスは、マムトーネスの前後左右に立ち、マムットーネスは、決まったリズムで、ジャンプをして鐘を鳴らしながら行進します。
対して、イッソアドレスの動きは軽く敏捷。
イッソアドレスは、観衆、特に女性に向かって、ロープを投げます。女性が捕まえられることは縁起が良いこと、吉兆とされています。イッソアドレスは、ロープを投げることによって、観客と接点を持ちますが、マムトーネスは、観衆とは交わりません。

マムトーネスの衣装は、羊飼いの服の上に黒い羊の毛をはおり、サ・カリーガ sa carriga と呼ばれるカンパナッチ(家畜の首にかける鈴)を背負う。カンパナッチの重さは25~30kgもあるため、やる気のある人でなければマムトーネスは務まりません。 カンパナッチの大きな音は、悪霊を遠ざけたり、振り払ったり、無効にしたりする力を持つと考えられている。このおどろおどろしいマムトーネスにも、女性的な要素が含まれている。マムトーネスの頭にかけられている黒いスカーフだ。黒い帽子の上から柔らかいウール地の黒いスカーフを頭にかけ首元で結ぶ。この黒いスカーフは、マモイアーダの女性が使っていたもので豊穣のシンボルと考えられている。

マムットーネスの衣装をまとう際は、厳格な決まりがあり、まるで宗教儀式のようだ。ミサと原典のない典礼と言われる。仮面をつけたとたんに、その人のアイデンティティーと言葉は失われ、不思議な存在へと姿を変える。それは、動物のような神とも考えられている 。

イッソアドレスのコスチュームは、マモイアーダ村の伝統的な衣装。
白いシャツとオレンジ色のジャケット。サルデーニャ産の手織りの毛織物の帽子は、ネッカチーフで留められている。イッソアドレスに欠かせないもちものは、ロープ。イッソアドレス Issohadores は、”ロープ soha を持つ人”という意味。イッソアドレスは、このロープを振り回し、行列の見物客、特に女性を投げ縄のようにしてつかまえる。周囲を巻き込むこの動作は、幸せと繁栄のシンボルである。
イッソアドレスの白い優しい表情の仮面は、1990年代に昔の風習が再導入された。(1960年代など、それ以前の古い写真では、仮面はつけられていない。)

2つの対照的な登場人物。明と暗、ポジティブとネガティブ。滅び行く自然と春の訪れによる再生。

マムトーネスの仮面をつける人は12人。つまり1年の12か月を示すとも考えられている。12か月の苦難や犠牲、そして、再生。

マムトーネスとイッソアドレスの仮面の意味や起源は、 代々口頭で語り継がれてきたため文献がないので、はっきりとはわかっていないが、 研究によると、仮面の儀式は、農業や牧畜において、豊作を願う祈願の祭式、儀式であると考えられている。人が動物へ姿を変えることによって、祭りのなかで悪霊祓いをするとも考えられている。

サルティリア

サルデーニャ島西部の町、オリスターノのカーニバルであるサルティリアは、中世の十字軍の時代にヨーロッパ各地で流行った騎士による馬上槍試合に起源をもちます。
15世紀から16世紀にかけて、馬上槍試合は、市民のためのショーとしての要素も強くなった。
オリスターノのサルティリアも、現在に至るまで、市民のためのスペクタクルとなっている。
16世紀のヨーロッパ大陸では、馬術のリング競技が、スペクタクルの一環として取り入れられました。槍を持って馬にのり、紐につるされたリングを槍で通す競技です。
王様や副王、封建領主、職業組合(ギルド)が、例えば、新しく王が就任した時や司教がかわったとき、または宗教的儀式の際などに、このような馬上競技が催されました。
オリスターノのサルティリアも、中世の時代の馬上リング競技の流れをうけています。
サルティリアは1465年に始まったとされ、500年以上の歴史を持ちます。
馬に乗り、伝統的な服装に身を包んだ人々が紐につるされた星型のリングを剣で突き通せるかを競います。
見どころは、華やか伝統的なな衣装と両性具有の不思議な仮面。馬につけられた飾り。そして、サルティリアを見守る人々の熱狂と星をとったときの歓喜。サルティリアを見終わった後は、連打される太鼓の音がおなかの底からこだまするような興奮に包まれたことを思い出します。

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