3月8日の女性の日 Festa della donna に関連して、女性ワイン協会 Associazione Nazionale Le Donne del Vino は今年初めて、女性ワインの日 la Festa delle Donne del Vino と名付けられたイベントを先週末の土曜日、3月4日にイタリア各地で企画した。
サルデーニャでも、アルジオラスをはじめいくつかのワイナリーでイベントが行われた。
イタリア女性ワイン協会に加盟できるのは、女性だけであるが、女性ワインの日のイベントには、もちろん男性も参加できる。
どのワイナリーも魅力的な企画で、どこに行くか迷ったけれども、お客様をお連れしたり、ワイン会をするワイン仲間でもある、マリアンナのワイナリー、ムーラ Vini Mura へ行くこととにした。
ワインは、土地、環境、気候、文化に、作り手の考えや思いが合わせて作られるものだと思うので、ワインが作られる土地や文化に対する愛情とともに、作り手がどんな考えを持ってワインを作っているのかということを知りたい。
農作物である以上、作り手の思い通りにいかない場合もたくさんあるけれども、やはり人がかかわる要素が大きいから、ワインは作り手の考えを反映する。
ムーラは、女性エノロガ(醸造家)のマリアンナが、両親から受け継いだ土地で兄弟とともに、土地の特徴を生かして、このようなワインを作りたいと試行錯誤を重ねながら、ワインを生産している。
一番古いブドウの樹から作られるヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ シエンダ sienda。ワインの名前の意味は、宝物。
マリアンナが生まれた年の75年に、お父さんが植えたブドウから作られる。
洋ナシやライム、春の花の香りとともに、ふくよかな果実味とミネラルのバランスがすばらしく、アーモンドの後味を残す。
良い年にしか作らないというマグナムボトルのバイヤ baja は、バランスが非常に良く、びっくりするくらい美味しかった。
力強い果実味、心地よいタンニン、多くの美味しいワインがそうであるように、一口すするたびに、あともう一口飲みたくなる。また、長寿の島、サルデーニャへの関心から、最近は、外国からの赤ワインのリクエストがとても多くなったとマリアンナが言っていた。
そして、マリアンナが今、新たなムーラのワインとして力を注いでいるのが、かなりの傾斜のある新しいブドウ畑。
後ろにそびえる山は、かつて、炭焼き場として使われていた場所で、ミネラルが豊富な土壌をもつ。
この土壌とアッツァニド Azzanidò のミクロクリマから今までにないようなヴェルメンティーノが生まれるのではと期待している。
ムーラの今年のイベントは、友人のアンナマリアが、マリアンナと共同で企画したもので、アペに乗ってオルビアからワイナリーで行くというものだった。
アペは、あのイタリアのバイク、ヴェスパを生産するピアッジオ社のもので、このアペというのは、どうもイタリア人の心をくすぐるらしい。