コロナワクチン接種しました!刻々と変わるイタリアコロナワクチン接種状況

イタリアワクチン接種 サルデーニャの日常

イタリアの新型コロナワクチン接種は、一進一退をくりかえしつつ、当初、想像していたよりも順調に進んでいるように見受けられます。

それが、この数週間で大幅にイタリアのコロナワクチン接種スピードがアップ。

ワクチン接種が始まった頃は、イタリア政府が目指す、イタリア国民の70%の接種が終わるのは、2022年の2月頃と言われていたのが、5月6日には、2021年の9月22日、5月22日には、9月8日となっています。

人口165万人のサルデーニャ州でも、1日あたり、毎日1万回分ほどのコロナワクチンが接種されています。
筆者が1回目のコロナワクチンを接種した5月22日は、サルデーニャ州では、21302回分のワクチンが接種され、今までの1日あたりの接種回数の記録を塗り替えました。これは、オープンデーと称された40代以上向けのアストラゼネカ社のワクチン接種キャンペーンの影響にもよります。

最初にファイザー製のワクチンはマイナス70度からマイナス80度の超低温冷凍庫での保管が必要とニュースで聞いた時は、まず特殊な冷凍庫の購入から始まり、みんなにワクチンが行き渡るのはいつになるのだろう、希望は見えるのだろうかと思っていました。
昨年の年末に始まったイタリアのワクチン接種も、最初はほんの僅かずつしか接種が進んでいませんでした。

イタリア・サルデーニャ州でも、新型コロナワクチンの接種が進んでいます。イタリア各州ごとの供給されたワクチンに対する接種率やイタリアの州の人口に対する接種割合などが、毎日報道され、州ごとに、まるで通知表を発表されているような状況です。最初は、その通知表がイタリア20州の中で下のほうだったのが、だんだんと上に上がってきています。


ワクチン接種が始まった昨年の12月の終わりの頃は、自分の番が回ってくるのは遠い先のような気がしていました。医療関係者や学校関係者、80代以上の方々が接種を受けていた時も、いつになるのだろうと思っていました。
そして、5月17日からサルデーニャ州もイエローゾーンとなり、レストランやバールも開き、5月19日から夜間外出禁止令も1時間遅くなり、23時からとなりました。6月1日からは、サルデーニャ州は最も規制の緩いホワイトゾーンになる見込みで、マスク着用と社会的距離を保つ以外には、ほぼ、コロナ前のような日常が戻ると報道されています。でも、ワクチンを打たなければ、私としては自由に友人たちと会ったり外食をしたり出かけたりする気にはなれません。

コロナワクチンオンライン予約、二転三転

筆者の住むコムーネ(地方自治体)では、5月10日に60代のワクチン接種が行われたので、5月17日の週には50代の接種かと思っていたところ、サルデーニャ州でも、イタリアの他の州に4日遅れで、5月21日から50代のコロナワクチンオンライン予約が始まりました。

当日、予約サイトを見てみると、すんなりと開き、5月18日の予約が可能でした。でも、どの種類のワクチンなのだろう?サルデーニャに住む知人の60代の人は、皆アストラゼネカでした。ちょっとどのワクチンか誰かに確認してから予約しようなどと思っている間に、そしてファイザーらしいという情報を入手して、翌日の15日にワクチン予約サイトに行ったら、もう、次は5月28日。
あー、10日もあとになってしまった。と悔やんでいたところ、今度は40代以上のワクチンオープンデーが5月21日と22日にあるという新聞記事を読む。
しかも、ワクチン接種時間は、19時から24時までという異例の時間。
5月19日のサルデーニャ州のコロナワクチン接種状況は、供給量に対して82%。イタリア全国平均は93.2%。とワクチンの供給量に対して接種率が低いのを上げるためか、サルデーニャ州のコロナワクチン接種に対する意気込みを感じさせる時間設定。
予約は、最初は21日からとLa Nuova Sardegana紙のオンライン版で出たが、その後、遅くとも、20日にはできるだろうと、Ansa紙は報道。
予約が始まって1時間後には、オルビアの1400人分の予約はいっぱいになったそうだ。

色々な新聞報道を読むと、どうやら、シチリア州などで敬遠されて、余ってしまっているいるアストラゼネカ社のワクチンが他の州に回り、ワクチンの期限が切れる前に消耗する意図もあるようだった。
そのため、サルデーニャ州以外のいくつかの州でも、アストラゼネカ社のワクチン限定のコロナワクチン接種オープンデーが行われている。
5月21日と22日のサルデーニャ州のアストラゼネカオープンデーは、40代以上の人ならば誰でも予約ができたが、州によって、予約できる年齢は違うようです。
たとえば、マルケ州では、男性は、40才から80才まで、女性は60才から80才。
ラッツィオ州では、35才以上など。
オープンデーは、どのワクチンを接種するか予め伝えられているのが特徴です。

そのような報道もあり、もう一度、5月19日にコロナワクチン予約サイトを確認すると、27日にも接種が可能と出た。オンラインサイトからキャンセルもできるので、28日をキャンセルし、27日を取り直す。
刻々と、コロナワクチン予約サイトが更新されていくので、もしかして、と思い、もう一度午後にワクチン予約サイトを見ると、なんと、2日後の21日も予約可能であったので、あわてて、また、27日をキャンセルして21日を取り直した。

意外にも、この新型コロナウイルスワクチン予約サイトは上手く作られていると感じた。
入力する内容は、保険証番号と税務番号、そして、氏名と携帯電話番号だけだ。
自分の住む自治体を入力すると、自宅から近い場所で、予約可能な日時の早い順に選択結果が出て、場所と1時間ごとの時間を選択して申し込むと即座に携帯にSMSで、予約確認番号が送られ、それを入力すると、再び予約確証のSMSが携帯にすぐに送られてきた。
また、予約確証のQRコード付きの用紙、当日の健康状態や既往症を書く用紙と、そして、「私は、〇〇のワクチンを受けることに同意します」という同意書もプリントアウトできる。
但し、どのワクチンを受けられるかは、予約の段階ではわからない。
コロナワクチン予約サイトで、ダウンロードできるイタリアで承認されている4種類のワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン)の説明を読むと、アストラゼネカ社のワクチンは非常に稀なケースではあるが、特に60才以下の女性が血液凝固のリスクがあると書かれている。実際にイタリアでも死亡者が出ている。
アストラゼネカワクチンはAIFA(イタリア医薬品庁)が60才以下には推奨しないワクチンであるというAnsa紙の記事も読んだ。(イタリアでは、アストラゼネカ社のワクチンは60才以下には推奨はしないが、禁止はしていない。)
また、ファイザーは2回目の接種は1回目の5週間後であるのに対して(以前は3週間だったが、1回目をより多くの国民に受けてもらえるようにするためもあり5週間後となった。)、アストラゼネカは12週間後に2回目。

色々なネット情報を見ると、アストラゼネカ社のワクチンにより数名の死亡者が出たシチリア州では、アストラゼネカ社のワクチンを拒否する人が多く、その余ったワクチンを他の州に回しているという記事も読んだ。
そのようなこともあり、できれば、アストラゼネカは避けたいと考えていたが、予約段階では、どのワクチンかはわからない。

接種会場は以前は車のディーラーだったところ。時々、車で通る道でいつのまにかワクチン接種のハブ(大規模コロナワクチン接種場所)になっているなあと思っていた。

イタリアコロナワクチン接種
オルビアのワクチン接種ハブ

筆者が予約した時間は、15時20分。15時頃に着くと、まだ、14時台のをしているので遅れているから外の椅子に座って待つように言われる。
待っている人は、30人くらい。予約時間順に呼びますというので30分ほど待っていると、「14時半から15時半の人」と呼ばれる。先着10名までが中に入れる。後ろの方の席で待っていたので出遅れたため、もう、入口付近で立って待つことにする。
あっ、やっぱりサルデーニャ。予約時間順と言っておきながら、やっぱり早いもの順ではないか!さらに少し待つと、次は、5人まで中に入れ、筆者もその中に滑り込んだ。
建物内に入る前に、熱を測られる。さらに、医師の問診を受けるために待つ。
待っていると、犬を連れたエレガントに着飾った夫婦が建物内に入ろうとしていて、熱を計測する警備員が「ワクチン接種会場なので犬連れではやっぱり入らないでください。」と言われる。
なんで、ワクチン接種するのに犬連れてくる?!と思うけれども、入口にちょうど椅子が一つあり、夫の方は、犬と入口でのんびりと待ち始める。

イタリアコロナワクチン接種
社会的距離を保ちつつ医師の問診を待つ

コロナワクチン接種前の既往症の用紙にアレルギーがあることを書いておいたので何のアレルギーか聞かれ、医師がファイザーの欄にチェックを入れた。コロナワクチン接種同意書にサインをしてから、ワクチンの種類ごとに、接種される子部屋前で待つ。小部屋は10か所以上あったように見受けられた。
周囲の人たちは、ほとんどがファイザーのようであった。(しかし、同日の午後遅くにやはり筆者と同じ場所で接種した知人はモデルナであった。)
小部屋の前で緊張して待つ筆者の前には、看護師が3人、楽しそうにおしゃべりしている。推測するに、色々な場所から医師や看護師が集められているので、久しぶりに会った仕事仲間と近況報しているようだ。
そんな和やかな状況に、少しリラックスする。

サルデーニャコロナワクチン接種
ファイザーと書かれた小部屋の前で待つ

次の人は誰ー?と呼ばれ、あなたはファイザーよね?と医師がサインした用紙を確認され、小部屋に入る。
どこから来たの?日本です。と答えると、友達がコロナの直前に東京に旅行に行ってすごく良かったなどと話しながら、注射はチクリと1秒ほどで終わった。

接種後の15分待機

5週間後の2回目のコロナワクチン接種の予約の紙をもらい、その後、15分待機。

家に帰って、ワクチン接種後4時間後くらいから接種部分が痛み始める。夕食時には、なんだか口の中がタンニンの強い赤ワインを飲んだ後のように舌がざらつき、なんだか頭が少しボーっとしたがそれだけ。
接種箇所の痛みは接種後2日たってもまだあるが、特に重大な副作用などはない。

2回接種のコロナワクチンだが、1回の接種でも重症化を防ぐなどの効果はあるようだ。色々調べてみると、ファイザーの場合は、10日から2週間後に効果が表れ初め、日にちが経つごとにより効果が強くなるようだ。
そして、以前はファイザーのワクチンの2回目の接種は1回目の3週間後であったが、4週間後や5週間後に2回目を受けた方が、より良い効果を発揮するという研究結果も発表されている。ただし、1回目から42日以内に2回目接種が良いようで、どんなに間を開けたとしても、6か月以内に2回目を接種したほうがよいそうだ。(筆者が調べた結果であり、コロナワクチン接種方法などについては日々変化していっているので、ご了承ください。)

突然始まったコロナ禍。昨年はコロナワクチンが接種できるようになるとは想像もしていなかった。
コロナワクチンが世界中の人に行き渡り、そして効果を発揮して、世界がまた、コロナ前のように自由にあちこちを行き来できて、安心して人と会えることができる日が来ることを強く願います。

5月22日のデータでは、イタリアでは人口の34.36%にあたる20493330人、およそ2千万人が少なくとも1回目のワクチンを受け、イタリアの人口の16.76%の9997294人、およそ1千万人近くの人がコロナワクチン接種済み(2回分を接種または、1回でよいジョンソン社のワクチンを接種)。
5月22日には、イタリアでは、487245回分のワクチンが接種された。

コロナワクチン接種が進む中、新規感染者数や亡くなる人の人数は減ってきている。
5月22日のイタリアの新規感染者数は4717人(PCR検査数286630)、125人が亡くなった。昨年秋の最もひどかった時期のおよそ10分の1となっている。

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