通常授業、遠隔授業 イタリアの高校の場合

イタリア高校教科書 サルデーニャの日常

毎日の新型コロナ新規感染者数の多さは高止まりのままだ。
イタリア・サルデーニャ州では、昨年のクリスマス前頃から毎日1000人以上の新規感染者が出ている。それでも、イタリアの他の州よりは人口に対する新規感染者の割合は少ないのだが、まわりを見渡すと、知り合いで感染した人がたくさんいる。昨年までのコロナに感染した人を直接しらない状況から一変した。ただし、ワクチンを接種している人は、コロナに感染しても無症状か、あるいは、軽症だ。あくまでも、筆者の知り合いに関してのみのことではあるが。

冬休み明けのタンポーネ検査については、前の記事で書いたが、その時に娘のクラスで一人陽性の子がいた。娘の通う高校ではおよそ600人の生徒が検査に参加したのだが、そのうち、10人が陽性だったので、想像していたよりも少なくほっとしていたのもつかの間。通常授業が2週間弱続いたあと、娘のクラスの No Vax(反ワクチン派) の生徒の陽性が判明。さらに、2人の陽性も判明。1クラスに3人以上の陽性者がいると遠隔授業になるという方針に従い、1月22日の土曜日からオンライン授業。オンライン授業は10日間。そして、通常授業の前に新型コロナのタンポーネ検査はするのか。秋にクラスで一人の陽性者が出たときは、ASL(地域医療公社)がオーガナイズしたドライブイン検査(車に乗ったままコロナの検査を受ける)を陽性者判明直後と遠隔授業を経て通常授業へ戻る前日に病院で受けた。しかし、あまりにも新規感染者が増えているためか、ASLではオーガナイズできないから各自、自分達で検査せよとのこと。このあたりがイタリアだよね、と娘のお母さんグループは嘆く。

現在のスーパーグリーンパス(COVID-19グリーン証明書)は、新型コロナウイルスワクチン接種初回サイクル完了日から6ヶ月有効なのだが、娘の学校では、完了日から120日を過ぎていたら、タンポーネ検査をしなければならないという。ブースター(3回目のワクチン)を受けていればタンポーネ検査は必要しだったのだが、ブースター(3回目のワクチン)の予約を通常授業再開の月曜日の午後にだいぶ前にしていたため、半日の差なのだがタンポーネ検査に連れて行かなければならなくなった。
薬局での検査は、現在は未成年は8ユーロと決められている。ASLなどが行う場合は無料。

現在のイタリアでは、薬局で新型コロナの検査ができる。全ての薬局でできるわけではないので、そして、日曜日に開いている薬局は少ないので、検査ができる薬局をお母さんグループから教えてもらい、通常授業再開予定の月曜日の前日に娘を連れて行く。薬局の外まで列が出来ていたが意外にも早く進んだ。待っている人は小学生くらいの小さな子供連れが多かった。学校や病院でのタンポーネ検査の時は、検査をする人は宇宙服のような防御服を身につけていたが、薬局で検査をしてくれた医師は白衣にマスクとフェイスシールドだけだった。
検査は簡易検査のため15分ほどで結果がわかる。結果を待つ間に陽性の人だけが、早く呼ばれる。私たちが待っている間に元気そうに走り回っている小さな子たちが2人陽性だとわかる。10人に一人くらいの割合か。

娘は陰性だった。ほっとして陰性証明の用紙を受け取る。検査の時に提示した保険カードと連動していて、すぐに携帯のSMSにタンポ―二検査陰性のため48時間有効なグリーンパスの通知がくる。でも、すでに娘はスーパーグリーンパスを持っているので、あまり意味はないのだが。

イタリア政府のコロナ対策、ワクチン推奨キャンペーンというか、No Vax、つまり、ワクチン接種反対派の封じ込めを日に日に強化している。
2月1日からは、50才以上のワクチン未接種者に対しては、100ユーロの罰金の通知が自宅に届く。初回ワクチン接種サイクルから6か月以内に接種しなければ、罰金の対象だ。そのためか、筆者が3回目の接種をした12月下旬は、接種会場に着いてから10分もしないうちに接種を受けることができたが、1月31日の娘の3回目の接種の時には、1時間半も待たされた。幸いにも娘のクラスメートとそのお母さんも一緒の予約日だったので、おしゃべりをして待ち時間をあっという間に過ごせたが、新型コロナに対するイタリア政府の規制や措置は、コロコロと変わるため、2月1日からのワクチン未接種者の罰金の決定も数週間前だったので、予約なしでワクチン接種にかけつけた人も見かけた。

また現在は、スーパーグリーンパス(ワクチンを接種済みまたは、コロナに罹り、治癒してから6か月間有効)を持っていないと食料品と薬を買うなど、日常生活に必要な最低限の場所以外にはほぼ入れない。

2月15日からはスーパーグリーンパス(ワクチンを接種済みまたは、コロナに罹り、治癒してから6か月間有効)を持っていないと公的な機関であっても、一般企業であっても仕事にも行けなくなる。免職にはならないが、お給料は支払われない。もし、スーパーグリーンパスを持たない人が仕事に行くと600ユーロから1500ユーロの罰金である。とにかく、イタリア政府のワクチン接種推奨キャンペーンというか、No Vax、つまり、ワクチン接種反対派の封じ込めは徹底している。

現在のスーパーグリーンパス(COVID-19グリーン証明書)の有効期限は、新型コロナウイルスワクチン接種初回サイクル完了から6ヶ月間。ブースター接種後は、スーパーグリーンパスの有効期限は現在のところ無期限となっている。筆者は3回目のワクチン(ブースター)を昨年12月に受けた。もうコロナワクチンを受けなくてもよい世界に戻れるのだろうか。

写真はイタリアの高校のイタリア文学の教科書。千ページ以上もあってかなり重い。娘が通うのは理科系高校であるが、イタリア語やイタリア文学についてもかなり深く学ぶ。

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