少しずつ日が長くなり始め、ちょっとずつ暖かくなりはじめると、野生のアスパラガスが顔を出す。
秋のポルチーニのように、春には、野生のアスパラガスを探す人は多い。
ちょっと、田舎に行ったついで、または、田舎を散策する目的や口実。
サルデーニャの人々だけではなく、イタリア本土からも、アスパラガスを口実にサルデーニャへやってくるイタリア人もいる。
先週は、ローマに住む友人たちが、野生のアスパラガスを理由にサルデーニャにやってきた。
もちろん、イタリア本土にも野生のアスパラガスはあるのだが、サルデーニャに恋してしまった人たちは、サルデーニャのものは別物だという。
たくさんサルデーニャのアスパラガスを積んで、ローマまで持って帰る。
そして、遠くから来る友人たちが集まれば、もちろん、みんなで昼食会をしたりする。
サルデーニャのごちそうといえば、子豚。
サルデーニャの友人が言っていたっけ。サルデーニャで人を招待するということは、子豚を殺すこと。
ローマの友人の退職記念のお祝いも兼ねてのランチだったので、何日も前から、豚を飼っている友人に子豚を予約する。
テラスでごはんを食べるのはサルデーニャの田舎生活での素敵なことの一つ。今年の2月、3月は例年になく天気の良い日が多く、2月にも天気が良い日には、テラスで昼ご飯を食べれた日もあった。
ちなみに、イタリアでは1階部分にあるテラスのことをベランダと呼ぶ。2階以上にあるベランダのことをテラス terrazza と呼ぶ。なんだか日本語と逆です。
集まったのは、十数人。子豚は、およそ10kg。
自家製サルシッチャやペコリーノサルド。野生のアスパラガスのリゾット。そして、子豚。
アグリツーリズモを経営している夫婦の奥さんがもってきてくれたドーナッツが絶品でした。冷めた揚げ物は苦手なのだけれども、一口食べてびっくり。ふわふわであっさりしている。生地にマッシュポテトをいれているのがおいしさの秘訣だとか。
中にチーズが入っているサルデーニャのデザート、セアダス。
セアダスはやはり村ごとにちょっぴりずつレシピが違うけれども、基本は、大きなラビオリ状の生地のなかにチーズを入れ、油で揚げ、はちみつをかけていただく。
セアダスは、アグリツーリズモでデザートとして出されることが多く、すごくおなか一杯になったあとに、揚げ菓子は重すぎるのだけど、サルデーニャの人はみんなセアダス好き。