簡素な木の門を通ると、すぐに、マッキアメディテラーネオ (地中海の低木や花) の香りに包まれた。
モンテ・プロフマート (良い香りのする山) だねーと山歩きの仲間がつぶやいた。
ちょうど、野生のラベンダー、チスト (ハンニチバナ) 、ジネストラ (エニシダ) が満開の季節。
大好きな「サルデーニャの香り」のするエリクリーゾ (カレープラント ) やティモ (タイム) 、野生のミントの香りも漂う。
最初の登りは結構きつい。びっくりするような形状のタフォーニがたくさんあるが、両手を使い大きな岩をのぼらなくてはならないので、写真を撮る余裕はなかった。
また、夏にはおいしい実をつけるがトゲのあるモーラなどの枝をかき分けながら、腰の高さまで草が茂る、あるかないかのセンティエーロ (山の小道) を 進まないといけないため、仲間を見失わないように歩く。
今回のトレッキングの目的は、モンテ・プルキアーナ Monte Pulchiana
モンテ・プルキアーナは、サルデーニャで最も大きな一枚岩 (モノリス)。サルデーニャのエアーズロックと言われることもある。
このサルデーニャ最大の一枚岩は、サルデーニャ島北東部、ガッルーラ地方の高原にある。
その丸みを帯びた形状から、クリスマスのケーキ、「パネットーネのような」とも表現される、モンテ・プルキアーナの不思議な形をを初めて見たときから、近くを歩いてみたいと思っていた。
最初の部分をすぎると、それほど大変な行程ではないが、あまり訪れる人が多くないためか、道なき道もところどころある。
実際、私たちのグループ以外の人は見かけなかった。
そのモンテ・プルキアーナの足元に、奇妙な形の家がある。
ベルギーの漫画、スマーフに出てくるスマーフの家にそっくりなため、カーザ・デイ・プッフィとも呼ばれる。
スマーフの家は、コンカ・フライカータ Conca Fraicata と呼ばれる。自然の一枚岩の洞窟を意味する。そこに扉をつけて、羊飼いが休む家や食料保存庫として使われてきた。
このトレッキングの1か月ほど前に、特別に中を開けて見せてもらう機会があった。現在はワイン貯蔵庫として使われている。