前の投稿から2週間ほど過ぎましたが、依然としてコロナウイルスの脅威にさらされています。
現在のサルデーニャ州の感染者数は440人、亡くなった方は18人となっています。
感染者と亡くなった方の人数は、あれよあれよという間に増えていき、イタリア全土に敷かれている外出禁止令は、ますます厳しくなり、イタリア国民と居住者はほぼ自宅軟禁状態を余儀なくされています。
しかし、誰とも接触し合わないのが、コロナウイルスにかからないための最も単純で賢明な方法ということをイタリア国民は支持しているようで、イタリア中の人々が、皆、家に閉じこもっています。
そのような中なので、家で料理を楽しむ人が多いことから、パンやピザを作るためのビール酵母が不足しているとか、オーブンシート carta forno が不足しているとか。
オーブンシートは、料理の時に使うだけではなく、不足しているマスクを手作りする際に用いるというやり方が色々なwebページなどで出回っているためということもあるそうです。
外出禁止令は、だんだんと厳しくなり、22日からは、基本的には、自分の住んでいるコムーネ(イタリアの地方自治体の単位)から出ることはできなくなりました。
また、レストラン、バール、衣料品店などは全て閉まっています。
開いているのは、スーパーマーケット、食料品店と薬局だけ。食料品の買い物も、家族のうち一人だけが行くことができます。日曜日は、スーパーマーケットや食料品店も営業してはいけないことになりました。
外での一人でのジョギングなどの運動も禁止となり、犬の散歩も自宅から200メートルまでなど、毎日のように制約が増えています。
この外出禁止令に違反すると、違反すると、罰金額は以前より増えて、400ユーロから3000ユーロの罰金。
ニュース番組も最初から最後まで、ほぼ全てコロナウイルス関連のみです。
学校の再開も目処がたっておりません。娘の高校では、ビデオ授業をしてくれる先生もいますが、まだ少数派です。
3週間前には、想像もしなかったことが起こっています。
そんな中、一昨日、大腸の内視鏡検査へ行ってきました。
私が検査を行った病院は、カタール財団の援助でやっと昨年できたばかりの病院。現在のところはコロナウイルス患者を受け入れていないが、普通の病院では足りなくなるであろうコロナウイルス患者用の病床を整えている最中であるとのニュースも見ました。
コロナウイルスの状況がどんどんひどくなる中、果たして病院では、そのような検査は行ってくれているのか、そして、サルデーニャでのコロナウイルス患者の多くは、病院内での感染ということもあり、病院に行っても安全なのかという不安もありました。
大腸内視鏡検査は、3日目からの食事制限、そして、下剤を前日から飲まなくてはいけないので、他の検査より気の重い検査ですが、10年ほど前にポリープがあり切除したこと、軽い腹痛などもあるため、昨年の11月に予約をとったもの。
通常の方法で検査を予約すると、イタリアでは何か月も先の予約となってしまいます。この予約をキャンセルしてしまうと、現在の状況下では、検査ができるのは、何年後になってしまうかわからないように思いました。
このような状況なので、検査の1週間ほど前に、電話で病院に確認したところ、今のところは検査は行っているとのこと。そして、その数日後に病院から、過去14日以内に、発熱、せき、のどの痛みなどの症状があったか。過去14日以内に、中国や北イタリアへ行ったか、コロナウイルス患者と接触したかなどを聞かれ、検査をするとの確証をもらいました。
そして検査当日。8時からの検査だったので、その15分前には来るようにということで、その時間に行ったところ、病院にはほぼ人影がありません。普段とは違う受付場所で、過去14日以内に、発熱、せき、のどの痛みなどの症状があったか、過去14日以内に、中国や日本や北イタリアへ行ったか、コロナウイルス患者と接触したかなどの問診票に記入し、サインをして病院内へ入りました。
北イタリアはわかるとしても、なぜ日本がと思いましたが、イタリアでこんなに広がる前は日本にとまったクルーズ船での感染が大きなニュースとなったからかしら?
そして、受付で指示された、3階に行くと、受付には誰もいない。受付どころか、患者さんも誰もいない。
ようやく出会った、掃除をしている若い女性に聞くと、さっきまでは受付に受付の人がいたんだけど、と言われ、誰か探してきてあげると言われ、ようやく受付の人が現れると、私は違う科の受付だから、あっちのもうひとつの受付で待ちなさいと言われる。
広い病院の中を人を探して隅々まで歩いても誰もいない。仕方がないので、待っているとようやく医師らしき人が手招きして呼んでくれた。
今日の検査は私だけなのかと聞くと、そうだと言う。やはり、皆、病院に行って感染するのを恐れてキャンセルしたのだと思う。
人がほとんどいないピカピカの大病院。人がいないせいか、医師の方もゆったりしているようで、こちらもリラックスして検査を受けることができました。
不安だったポリープもなく、これは、サルデーニャのゆったりとした時間の流れと自然環境のおかげかもしれません。この病院がコロナウイルス感染者であふれることになりませんように、嵐の前の静けさではありませんように、コロナウイルスが1日も早く終息しますようにと願いながら病院をあとにしました。