今年はコスタ・ズメラルダができてからちょうど60周年となります。世界中のセレブを魅了する海岸と言えば、コスタ・ズメラルダ。サルデーニャ島で最も有名で美しいビーチの数々のあるコスタ・ズメラルダについて書こうと思います。
コスタズメラルダ(エメラルド海岸)とは
コスタ・ズメラルダ(エメラルド海岸)とは、サルデーニャ島北東部ガッルーラ地方の55kmほどの海岸を含む、3114ヘクタールの土地を指します。ズメラルダとは、「エメラルドグリーン色」という意味で、その海の色から名づけられました。面積のうち、建物が建っている割合は、3.7%。
コスタ・ズメラルダ(エメラルド海岸)の両端には、コスタ・ズメラルダとかかれている花崗岩の岩があります。
コスタズメラルダ(エメラルド海岸)の歴史
夏のバカンス地として、世界中のセレブを魅了するコスタ・ズメラルダ(エメラルド海岸)は、1900年代半ばまでは、モンテ・ディ・モーラと呼ばれ、スタッツォと呼ばれるガッルーラ地方独特の家屋がいくつかあるだけで、ほぼ人は住んでおらず、ヤギや牛が花崗岩の岩々と地中海の灌木の間のわずかな草をはんでいる痩せた土地でした。
第二次世界大戦後、何人かの企業家が、コスタズメラルダの美しい海と未開の自然が残る、このすばらしい土地に魅かれていましたが、転機が訪れたのは50年代の終わり。
世界銀行の John Duncan Miller が、コスタズメラルダを訪れ、その自然の色の美しさに驚嘆し、ガッルーラ地方の魅力についてロンドンの金融界の友人たちに話をしたことに始まります。その中には、その後コスタ・ズメラルダを開発することになった、アラブの王子、二ザール派の指導者(イマーム)、アガ・カーン4世も含まれていました。
その後、アガ・カーン4世は4~5人の友人たちと12メートルのヨットで現在のポルト・チェルヴォを訪れます。そして、クリスタルのように輝く海の色、真っ白な砂浜、長い年月の風雨によって形作られた花崗岩の岩々、手付かずの自然が残るコスタ・ズメラルダを大いに気に入ったアガ・カーン4世は、すぐに、その当時はモンティ・ディ・モーラと呼ばれていた土地の購入を始めました。土地は主に2つのファミリー、アザーラ家とオレッキオ―ニ家が所有していました。イタリアでは前例のないプロジェクトが推進されていったのです。
そして、1962年3月14日、オルビアの公証人のもとで、コンソルツィオ・コスタ・ズメラルダが設立されました。
創設者のメンバーには、アガ・カーン4世の他、Patrick Guinnes, Felix Bigio, John Duncan Miller, Andrè Ardoin, René Podbielski が名を連ねました。
コンソルツィオ・コスタ・ズメラルダの目的は、コスタ・ズメラルダ開発の監督と管理であり、それにはもともとある自然を保護し、ガッルーラ地方の伝統と自然美を組み合わせるという建築上の基準も設けられました。
アガ・カーン4世の希望により、ルイジ・ヴィエッティ Luigi Vietti, ジャック・クウェル Jacques Couëlle, ミケーレ・ブジリ・ヴィーチ Michele Busiri Vici の著名な3人の建築家が、ガッルーラ地方の伝統を尊重しつつ、コスタ・ズメラルダを築き上げていきました。
ホテル・カーラ・ディ・ヴォルぺ
カーラ・ディ・ヴォルぺは、コスタズメラルダを開発したアガ・カーンが関わった4つの5つ星ホテルの中で最も有名なホテル。ジャック・クウェル Jacques Couelle のデザイン。サルデーニャの花崗岩やジネプロの木を用いた、曲線やカラフルな色使いが特徴。ホテル建築としても、とても興味深いホテルです。1964年に開業すると、瞬く間に世界中の大富豪を魅了しました。ダイアナ妃が亡くなる2日前に昼食をとられたホテルであるとも言われています。
また、ホテル・カーラ・ディ・ヴォルぺは、1977年に公開された映画「007/私を愛したスパイ」の舞台となったホテルでもあります。今現在でも、映画のシーンとほぼ同様の場所を見ることができます。余談ですが、「007/私を愛したスパイ」のボンドガール、バーバラ・バックは、元ビートルズのリンゴ・スターの奥さん。
旅行会社様をホテル・カーラ・ディ・ヴォルぺにご案内、視察、通訳した時の室内の写真です。
ホテル・カーラ・ディ・ヴォルぺをデザインした建築家Couëlleのサインがあります。
ポルト・チェルヴォは、もともと、アガ・カーン4世の友人たちの大富豪や貴族のために開発された場所。そのため、ホテル、レストランのターゲットは富裕層向けとなっているところが多いです。
コスタ・ズメラルダ(エメラルド海岸)おすすめビーチ
スピアッジャ・デル・プリンチペ
コスタ・ズメラルダの創設者のアラブの王子様、アガ・カーン4世のお気に入りのビーチだったことから、「王子様のビーチ」という意味のスピアッジャ・デル・プリンチペと呼ばれる。
スピアッジャ・デル・プリンチペへ行くためには、駐車場から、10分ほど歩き、下の写真のような小道を降りていく必要があります。そのため、歩きやすい靴で行かれることをおすすめいたします。
グランデ・ぺヴェロ
グランデ・ぺヴェロの手前には、小さいぺヴェロの意味のピッコロ・ぺヴェロ・ビーチがありますが、グランデ・ぺヴェロ・ビーチの方が圧倒的に美しい。駐車場から5分ほど歩きます。
写真の中央に見える大きなヨットが、ロシアの大富豪ウスマノフ氏所有の6億ドルといわれる世界で3番目に大きいスーパーヨットDilbar。毎夏、コスタ・ズメラルダに姿を見せますが、最近のロシア・ウクライナ情勢により、Dilbarも経済制裁対象となっています。
ロマッツィーノ
同名の5つ星ホテルが目の前にあります。水の色は若干劣りますが、ビーチが広いためか、あまり混雑しません。ビーチの右側が最も水の色がきれいです。
ラ・チェルヴィア
駐車場からビーチまでは、プライバシーに配慮した美しい別荘のある通りを通り抜けていくため、コスタズメラルダ的な雰囲気が抜群です。
カプリッチョ―リ
コスタズメラルダ(エメラルド海岸)で、最も有名なビーチ。駐車場が広く、アクセスが簡単なので、7月から8月にかけてはとても混みます。西と東、ふたつのビーチがあり、その日の風向きによってビーチを選ぶこともできます。
ポルト・チェルヴォのマリーナ
ビーチではありませんが、コスタ・ズメラルダ(エメラルド海岸)の中心地、ポルト・チェルヴォのマリーナへ行くのもおすすめ。夏には、豪華なクルーザーが停泊します。美しいヨットを見るために散策に訪れる人も多いです。
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