ドルガーリ Dorgali は、サルデーニャ東部の町。ボートツアーが出ているカーラ・ゴノーネ Cala Gonone からもそう遠くはないが、スプラモンテの山々に囲まれているため、そしてヌオーロ県に位置するため、バルバジア地方の文化を持つ。そのドルガーリにカンティーナを持つワイナリー、カンティーナ・べッリッタ Cantina Berritta の見学に友人のエノロゴ、ロベルトからお誘いを受けた。ロベルトは、今年、ガンベロロッソで3ビッキエーリをとった 、マゾネマンヌのエノロゴ。マゾネマンヌの他にも数社のワイナリーの監修に関わっている。今回、訪問したカンティーナもそのうちの一つ。
カンティーナ・べッリッタを知ったのは、夏に開かれたサルデーニャの土着品種のイベント。パンツァーレ Panzaleという世界でもサルデーニャの一部の地域でしか作られていないレアなブドウ品種から作られるワインを生産する。
パンツァーレは、古くからこのあたりに自生していて、実が大きくどちらかというと食用のブドウ品種でもあったが、皮が分厚いため、自家用ワインとしても用いられていた。このパンツァーレ品種でワインを作ろうと決意した、アントニオ氏の先見の明は称賛に値すると思う。2014年までは、ヴェルメンティーノ品種とパンツァーレ品種をそれぞれ50%ずつだったが、2015年から100% パンツァーレ品種で作られている。また、培養酵母ではなく、ブドウについている自然酵母で発酵させている点にも注目したい。
今回は、 パンツァーレの垂直試飲をさせて頂いた。2016年は、酸が強いが、2015年、2014年、2013年と年が下がっていくと、非常にまろやかでふくよかな味わいでとてもおいしい。チーズとの相性も良い。
ヌオーロ県は、赤ワインのカンノナウ品種の最も重要な産地のため、赤ワインも、もちろんおいしい。そのなかでも、THURCALESU は、素晴らしかった。
ブドウ畑は、ドルガーリの町から数キロ離れた場所に点在している。石灰岩の山々に囲まれた、ヴァッレ・ディ・オッドエーネ Valle di Oddoene は、夏の間の昼夜の気温差が激しく、ブドウ栽培に適したミクロクリマを持つ。
ブドウ畑とワイナリーを訪問したのは、この前の日曜日。今年は春からずっと晴天続きで、5月頃からまともな雨が降らなかったサルデーニャにみんなが待ちに待った恵みの雨が降った日。ブドウ畑見学は無理かなと思ったけれども、行って見ようということになった。ところがブドウ畑に着いて5分ほどすると、雨がやみ、ぱーっと晴れてきた。11月とは思えないほどの日差しで、ブドウ畑の気温は25度。
収穫後、ブドウの木に残っていたブドウ。甘ーい!
サルデーニャ名物、子豚の丸焼き、ポルチェット。時折、当たりはずれがあるけれども、今回のポルチェットは、とっても美味でした!
カンティーナ・べッリッタのオーナーのアントニオ氏は、車の中でもブドウ畑やワイン、ドルガーリに関する的確な話は止まらない。ブドウ畑の見学に続いて、試飲を兼ねた昼食がはじまったのは、午後2時。そして長い長い昼食が終わったのは午後6時。ごちそうさまでした!