4月4日の日曜日はパスクア(イースター)でした。イースターは移動祝日のため、毎年、日にちが変わります。春分の日の後の最初の満月の次の日曜日がパスクア。
イタリアでは、パスクア(イースター)の翌日の月曜日は、パスクエッタ(イースターマンデー)と呼ばれる祝日で連休。
学校も先週の木曜日から今週の火曜日にかけて6日間の休暇でした。
パスクア(復活祭)はカトリックの宗教的に非常に重要な祭りなのですが、キリスト教信者、そしてイタリアに住むキリスト教を信じない人にとっても、親戚で集まって大食事会をする日。
パスクアの日に、誰を呼ぶか、それとも誰か呼ばれるか、誰と過ごすかは、直前に物事を決めるサルデーニャ人でも、少なくとも1週間前には決め、そして人数に合わせてメニューを決めます。
クリスマスとともに、イタリアでは、日本のお正月のようなかんじなので、家で家族や親戚とお祝いする人が多く、月曜日のパスクエッタは、郊外や田舎へ行ってピクニックをするのが慣わし。
しかし、今年は、パスクア前日の土曜日からパスクエッタの月曜日までの3日間、イタリア全土がレッドゾーンとなったため、2020年のパスクア(イースター)に続き厳戒態勢での復活祭となりました。
しかし2020年の復活祭と違い、2021年の復活祭は、レッドゾーンとはいえ、緩やかなパスクアでした。
昨年から、赤、オレンジ、黄色と州ごとに色分けをして数々の制限をしているイタリア。赤が最も厳しく、次にオレンジ、黄色の順に規制が緩やかになります。また、今年になって、最も緩やかな白のゾーンも加わった。
例えば、オレンジゾーンでは、自分の住むコムーネ(自治体)内での移動は自由だが、自治体から出てはいきない。
レッドゾーンでは、自分の住む自治体でも、必要事項以外は家から出てはいけない。しかし、復活祭を含む3日間のレッドゾーンでは、州内であれば、誰かの家に、2名までは、行ってもよいという、相反するような規定でした。
コムーネは例えば、東京の世田谷区くらいに相当すると考えると、オレンジゾーンの時は、世田谷区内の移動は自由だけれども、世田谷区から出てはいけない。レッドゾーンであれば、世田谷区内も仕事、健康、必要な場合のみしか、家から出てはいけない。それなのに、パスクアを含む3日間のレッドゾーンでは、自宅から誰かの家までならば、東京都中を移動しても良いという、なんだかオレンジよりも緩やかな規制。
カトリックのイタリアでは、パスクア(イースター)をお祝いしないわけにはいけないけれども、でも、感染拡大も困るという苦渋の策が、規制にもあらわれているけれども、イタリア政府が目を光らせているアセンブラメント(大勢で集まること)が、私的住居で行われやすいことは、想像に難くない。
斯く言う私たちも、パスクア(イースター)は、何らかの形でお祝いしなければならない。
パスクアの定番料理は、子羊。
パスクアには何を作る?と聞かれ、何年か前のパスクエッタにマルコの田舎の家で食べた羊がとってもおいしかったことを思い出し、子羊!と即答。
どこで、子羊を仕入れるのかと思ったら、パスクアの前の金曜日の夕方にやってきたマルコ。車のトランクからは、生後20日という生きている可愛い子羊が現れた。すぐに、解体作業が始まったのだが、こういう場面は、お肉は食べるのに見れない。
子羊の内臓やレバーをグルグルと、ジネプラの木に巻き付け炭火で焼いたリヴェラ(rivea)という料理。
子羊に合うワインは、ちょっと難しい。前に、ピノ・ノワール品種の赤ワインと合わせたら、羊特有の臭みが際立ってしまったので、いつ開けようかととっておいた、カニュラーリ品種の2017年のワインを開けました。
開栓直後は閉じていたワインも30分ほどすると華やかに開いてきて、子羊との相性も良かったです。
羊が人の数より多いと言われるサルデーニャ島。羊料理にはぜひ、サルデーニャ島のワインを合わせてみてください。
こちらのワイナリー、ヌラーゲ・カルビオーニは、お客様と伺った海の目の前にある静かなワイナリー。
ワイナリーを訪れた時のことを思い出しながら頂きました。
そして、カンティーナ・べッリッタの2010年のTHURCALESU。
保存場所は、食器棚の上という全く理想的ではない場所だったので、ワインがどのような状態なのか心配しながら栓を開けました。色は、レンガ色がかっていて、もしかして飲み頃は、2~3年前だったかなと思いながら当日は飲みましたが、パスクア、パスクエッタとも食べ過ぎ、飲み過ぎだったので、バキュバンで栓をして、パスクアを過ぎて1週間ほどしてからもう一度、飲んだら、びっくりするほどおいしい。サルデーニャのカンノナウは、フルーティで飲みやすい分、複雑さに欠ける場合もあるけれども、こちらは、奥深くとても複雑な味わい。
こちらのワイナリー、ベリッタは、ワイナリーを訪れたことがあり、その時もベリッタのワインを色々試飲して、どれも素晴らしかったのを思い出しました。
手作りのパナーダス。中身はサルデーニャ産の豚肉。
手作りのサルデーニャのお菓子、ティリカス。中には、サパと呼ばれるブドウのモストやハチミツが入るのが定番ですが、こちらは、サボテンのジャム。珍しく甘さ控えめでおいしかったです。
この後、イタリアのパスクア(イースター)のケーキ、コロンバも食べ、やはり1日中食べ続けていたパスクアでした。
4月7日現在、イタリアで2回分のワクチンの接種済みの人は、3,555,242人
およそ6千万人のイタリアの人口の5.96%がコロナワクチンを接種済みとなりました。
1回目のワクチンを受けた人は、7,955,663人
イタリアの人口の13.34%
私の周囲にも、医師や病院、学校で働いている人、80才以上の方々などで、ワクチン接種をした人が増えてきてはいます。 イタリア政府は、今年8月までに人口の70%の人々のワクチン接種を行いたいと目指しているが、 このままのスピードだと、イタリアの人口の70%のワクチン接種が終わるのは2022年の2月になってしまうという。過去1週間のイタリアの1日の平均コロナワクチン接種回数は、およそ22万回分。
4月中は、イエローゾーンは廃止で、イエローゾーンのレベルの州もアレンジゾーンとなり、イタリア中が、レッドゾーンとオレンジゾーンとなります。ワクチン接種がすすみ、自由な移動や友人たちと安心して会える日が来ますように。