サルデーニャ島の南東部にあるサン・ピエトロ島は、マグロ漁で有名な島。マグロと聞くと心が踊ってしまうのは日本人だからだろうか。お寿司の最後は中トロで締めたいし、やはりマグロはお寿司の王様だと思う。
マッタンツァと呼ばれるマグロ漁を伝統的に行っているこの島では、年に1回、ジーロトンノ Girotonnoと名付けられてたマグロ祭りが行われる。日本人的には、心惹かれるお祭りなのだけれども、イタリア人にとっても、やはりワクワクするお祭りなのか、昨年は、15000人の来場者が人口およそ6500人の小さな島の小さな町カルロフォルテ Carloforte のマグロ祭りに来たそうだ。
昨年の「世界ふしぎ発見!」で、放送されたのでご覧になった方もいらっしゃると思う。「世界ふしぎ発見!」のサルデーニャ島のリンクはこちら。
このまぐろ祭りのハイライトとも言えるツナ・コンペティションTuna Competition では、世界数か国のシェフがマグロ料理を競う。昨年は日本人の市川晴夫シェフが優勝した。
このコンテストの面白い所は、テレビや雑誌などで有名な料理評論家だけではなく、マグロ祭りのツナ・コンペティションに参加した一般の人も審査に参加できる点だ。
是非とも、このコンテストに参加したく、サン・ピエトロ島のカルロフォルテを目指した。
面積51㎢の小さな島のサン・ピエトロ島は、ポルト・ヴェスメからフェリーで40分で着く。船を降りた場所が、サン・ピエトロ島の町、マグロ祭りジーロトンノが行われるカルロフォルテだ。ツナ・コンペティションの行われた会場も、船を降りて徒歩1分。
昨年は、ツナ・コンペティションのセミ・フィナーレとフィナーレが6月の土曜日の夕方に行われたので、今年もそうだろうと思っていたら、今年は、5月24日から4日間行われ、24日の木曜日、25日の金曜日にセミ・フィナーレが行われ、フィナーレは、25日の土曜日の13時半からに変更となったので、予定が少しくるってしまった。今年は日本を含む、8か国が参加したのだが、日本は初日の木曜日だったので、惜しくも見逃してしまった。
このマグロ祭りは、プロ・ローコ pro locoという地元の観光協会が行っている。プロ・ローコは、おそらくイタリア中のほぼ全てのコムーネ(地方自治体)にある村おこし的なイベントを行う団体なのだが、プロ・ローコの人達は皆、他の仕事をしていて、いわゆる本職の仕事ではなく趣味的な要素も多いので、イタリア的なところがたくさんある。
今回は、そのイタリア的なところで、なんとかぎりぎりで、ツナ・コンペティションのフィナーレのチケットを入手できたのだが、このチケット入手はかなり大変だった。
決勝に残った、アメリカ、リトアニア、ロシアの3か国のシェフのマグロ料理に合わせて、ワインも3種類サーブされた。ワインはもちろん、サルデーニャのワイン。
私も、リトアニアのマグロ料理が一番おいしかったので、今年はリトアニアが優勝したのには納得。
今年の春は、例年と違い雨がちであまり暑くなかったのだが、ちょうど前日くらいから良い天気になり、屋外で真昼間に行われたコンテストは、帽子を忘れてしまったので、とっても暑かった。
午後は、2つのライブクッキングに参加した。18時からは、ミシュラン一つ星のシェフ、アンドレア・ベルトン Andrea Bertonのクッキングショー。場所は、今度は屋内でほっとしたのですが、図書室の中で行われ、ミシュランシェフとローカル色いっぱいの組み合わせが、やはり村おこし的でおもしろい。
有名なシェフのためか、終わった後に一緒に写真を撮ってもらう参加者が多かったので、私も撮ってもらった。ものすごく長身のシェフで、巨人と小人のようになってしまった。
19時半からは、アンディ・ルオット Andy Luotto のライブクッキング。
こちらは、ジャガイモと一緒にマグロのおそらく大トロの部分をオーブンで焼いたもの。マグロは生で食べなければねーという今までの思いがくつがえされたのが、このショークッキング。
もし、マグロと言われなかったら、お肉と勘違いしてしまうかのような、味わい。外側はカリカリで香ばしく、身はしっとりとしていてジューシーで濃厚。合わされたのは白ワインだったのだけれども、赤ワインの方が良かったのではないかと思わせられるような、力強さ。実は、このマグロをお肉のように扱ったマグロ料理が個人的には最も美味でした。
マグロづくしでしたが、色々な調理方法で全く飽きさせないサルデーニャのマグロ。ローカルと一流が交わるサルデーニャのカルロフォルテならではのマグロ祭り。海もきれいなので、マグロ祭りではない夏の時期に来ても良いかと思う。
昨年のコンテストで優勝したマグロ料理が食べれる会場では、昨年のコンテスト優勝者、ミラノ在住の日本人、市川晴夫シェフの周りには人だかり!