サルデーニャは謎に満ちた島と呼ばれることもある。
世界中に不思議な場所はたくさんあると思うが、春の夕暮れ、陽が沈む少し前の時間にとても興味深い場所へ訪れる機会を得た。
サルデーニャ島北東部ガッルーラ地方のサンタントニオ・ディ・ガッルーラ村から数キロ離れた田舎にひっそりと佇む、サンタ・エレナ教会を訪れたのは、ある春の夕暮れ、陽が沈む少し前の時間。
サンタ・エレナ教会の扉は閉ざされていた。教会の扉が閉じているときは、3回静かに扉をノックするんだよ。と誰かが言った。
そうやって、そーっと、中にいる霊を起こすんだ。1回でもなく、2回でもなく、3回。
3は、キリスト教では、聖なる数字だ。
聖エレナ、コスタンティーノ、聖アントニオの像のある小さな教会を見学したあと、皆は花崗岩の大きな岩がゴロゴロしている林の中へ向かう。
花崗岩の大きな岩板とタフォーニ(自然の作用により複雑な形やえぐられたような形となった岩)を用いた、サン・サンティーノ教会跡(跡のため教会の形は想像するしかない)の洞窟のなかに、その小さな扉があった。
周囲の自然の洞窟の中に、明らかに人の手で積み上げられた石の小さな扉の上には、ジネプロのアーキトレーブまである。
なぜこんなところに、このような不思議なものが?!
聖なる場所であることを感じる空気が充満している。パワースポットであることは間違いない。
ここを3回通ると、痛いところや病気が治ると言われているんだよ。僕が小さい時には、もうすでにあったから、とても古いものだよ。と、サンタントニオ・ディ・ガッルーラに住む推定70歳くらいのジローラモ氏が言った。
そんなことを聞いたら試さずにはおれません。もちろん、やってみましたよ!
この場所の名前は?と聞くと、”Lu Pulteddhu di Santu Santinu” (サルデーニャの方言で、”サン・サンティーノの小さな扉“の意味)。
やはり。聖なる扉だったのですね。