サルデーニャの食後酒といえば、ミルト mirto。
イタリアの食後酒では、レモンから作られるリモンチェッロが有名ですが、サルデーニャのレストランやアグリツーリズモでは、食後に、ミルト、グラッパ、リモンチェッロの3種類がどこに行ってもでてきます。
ミルトとは、地中海、特にサルデーニャ島とコルシカ島に自生する低木。サルデーニャでは、ちょっと田舎へ行くとあちらこちらに自然に生えています。ミルトは、消化を助ける役割のほか、呼吸器系の炎症を抑えたり、殺菌作用などの効用があり、昔から薬用としても用いられてきた植物。
冬に濃い紫の小さな実をつけ、その実からミルト酒を作ります。
自家製ミルト酒を作る人も結構います。梅酒みたいなかんじでしょうか。私も今年初めて自家製ミルト酒を作ってみました。
ミルトの葉も実と同じ香りがあり、サルデーニャの名物料理、ポルチェットサルドの下に敷いたりしてほんの少し香りをつけたりします。
ミルトの葉は、ミルトの実と同じ香りがします。実と葉っぱが同じ匂いというのは珍しいですよね。
隣村、サルデーニャ島北東部ガッルーラ地方のテルティ Teltiは、ミルトで有名な村。 夏には、ミルト祭り Sagra del Mirto も行われます。 村の入り口には、ミルトの町 Città del Mirto の標識もたっています。
そのため、ミルトの生産者は多いのですが、私が一番おいしいと思うミルト酒のうちのひとつは、ペトラ・マンナ Petra Mannaという生産者。
ちょっと前にイタリアのNHK、Rai のLinea Verde という番組で、サルデーニャ特集をしていたのを見ていた時に、ペトラ・マンナでのミルトの栽培などの様子が放送されていました。しばらくして、Sawako はガイドなんでしょ?ワイナリー見学みたいに、ミルト生産見学とか試飲をかもしてるから見においでよーというお誘いをオーナーのフランチェスコから頂きさっそく、行ってきました。
ペトラ・マンナのフランチェスコが家族経営のテヌータを案内してくれました。
ミルトは、基本的にはほってといても生える木なので、完全に無農薬。
こちらは、Rai でも放送されていたように、一直線に植えてミルトを栽培している。収穫から瓶詰めまで、すべて手作業。家族に代々伝わるレシピに基づいて、ミルト酒を作っている。
テヌータの名前、ペトラ・マンナ(サルデーニャの方言で大きな石という意味)の由来となった、グラニート(花崗岩)の一枚岩。
そこからの眺めは、かなりドキドキしました。
ここを訪れた人は、必ず、びっくりして、写真を撮るそうです。
私もその一人。
ミルト以外にも、豚やガッリーナを飼っていたり、麦まで栽培している。母乳だけを飲んだ子豚 マイアレット・ダ・ラッテ maialetto da latte は、サルデーニャの名物料理、マイアレット・サルドとなる。
ミルトは食後酒として、小さなガラスのコップで飲むのが一般的だが、サンタ・テレーザ・ディ・ガッルーラ Santa Teresa di Galluraにあるウンベルトのレストラン S’Andira で食べたミルトのババロア La Bavarese al Mirto はデリケートなお味でとってもおいしかった。
サルデーニャガイドとミルトの生産者を訪ねてみませんか? お問い合わせは、こちらまで。お待ちしております。